不平文士の節酒日記~ADHD 死闘篇

アルコール使用障害とADHD に立ち向かいつつある技術系会社員のブログ

『1限めはやる気の民法』

よしながふみのBL本。帝能義塾大学ア法学部を舞台にした、らぶらぶキャンパス漫画……ではありません。
わたしの友人知人を見ていても思うんですけど、慶應の人って大学(彼らの中では「塾」と呼ぶそうな)が嫌いな人が多いですよね。まぁそもそも出身校大好き!なんて人とはあまりお付き合いがないのですが。高等部からの内部進学者で退学した細野不二彦河森正治美樹本晴彦もまったく同じ経歴)が描いた『あどりぶシネ倶楽部』には、母校への愛憎が織り込まれていますが、こちらはもっぱら「憎」ばかり。他校生としては覗き見として面白いんですけど、これ慶應の人が見たらどう思うのかな。ちょうどよしながふみと同世代の友達がいるから今度貸して感想を聞いてみよう。
主人公の田宮は『大奥』の主人公・水野と共通する個性を持つ気風のいい若者です。女性である徳川吉宗に象徴的に顕れていると思うのですが、彼らはよしながふみのセルフイメージなのではないか。
風と木の詩』が、実は隠蔽されたヘテロセクシュアルの物語であったというのは竹宮惠子が自ら暴露した話*1ですが、よしながの場合はトランスジェンダー願望が見え隠れしているような気がします。

*1:正確な引用ではありませんが、当時、ジルベールを女性として描くことは不可能であったために男性にした、という主旨の発言をしています。一時期、一部のゲイがやおいバッシングをした理由はこうした「利用主義」に対する反発からだったようです