不平文士の節酒日記~ADHD 死闘篇

アルコール使用障害とADHD に立ち向かいつつある技術系会社員のブログ

『「百合映画」完全ガイド』20世紀日本映画ぶん

ちょうど一週間前、7月5日に始めた薬(コンサータ)のおかげで短文なら持続して読める程度にアタマの中が回復してきたので、リハビリを兼ねてレビューをしてみたいと思います。お題は先月6月25日発行の星海社『「百合映画」完全ガイド』。あとがきによ…

『大奥』7巻

積みっぱなしにしていた『大奥』7巻を読む。前半は極めて優秀でとんでもなく忠義が篤くとても誠実だが不細工で毛深い大男が非道いめに遭う話。やっぱり よしながふみ って性格悪いと思う。2巻は漫画史に残る名著だと思うんだけど……

ジパング完結。

かわぐちかいじ にしては、後半グダグダにならずに済んだ気が。しかし最後の皆殺しは酷かったなぁ。脱出した乗員の見殺しとか。あと、あーゆーラストにするんだったら、早期講和が実現した分、ドイツの降伏が早まり東ドイツは誕生しなかったとか、満州が独立…

『大奥』5巻

それなりに良かった。『大奥』は2巻が良すぎなため、反動で3・4巻をあんまり楽しめなかったのですが、やはり有功さまが出てくると画が引き締まりますなぁ。

『エレクトメンズ・パレード』

サークルの先輩で、ピンク映画などを撮っていた杉浦昭嘉さんが作家デビューしました。まさに童貞作と呼ぶに相応しい、熱くキビシくグっとくる、中年青春小説です。http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=10309主人公は35才で先がまったく見え…

押井守『凡人として生きるということ』((幻冬舎,2008)

押井守は映像よりも文章の方がわかりやすい、というのは定評があるところです。 何故なら、押井守は論理の人だから。しかもその論理がきわめてクリアで、誰にでもわかる話ことばで書かれています(何か所か左翼の専門用語が出てくるところはご愛嬌)。 この…

ネタ

『麒麟館グラフィティー』や『薔薇のために』で知られるベテラン漫画家の吉村明美(よしむら・あけみ)が、「flowers」誌に連載中の『夢の真昼』にて、国籍法改正の件を国際結婚詐欺陰謀論としてネタに(2009年2月号)。 がっくり。

『BOX系!』全2巻

わたしは田村由美の良い読者ではありません。 『BASARA』は連載で、『巴がゆく!』は文庫で読みましたが、あまり思い入れがありません。『7SEEDS』は「flowers」誌をかかさず買っているにも関わらずほとんど読んでません(読みはじめるのに覚悟…

カニ

http://www.aozora.gr.jp/cards/000156/card1465.html 『党生活者』は最初のうちは面白かったのですが、女性同志が出てきたあたりで読めなくなりました。ホント、軟弱者かもね。

週刊新潮が凄過ぎる件。

話題の熱血漫画家も呆然。 ああ・・・・終わりました・・・やっとです・・・ もちろん、記事の中に事実もあり、自分も反省すべき所がありますが、とにかくこのデタラメ加減は笑うしかありませんでした・・・いや、今は疲れ果てています。 http://88552772.at…

「現代思想の109人」その2

エルンスト・カシーラー(生松敬三) ユダヤ系ドイツ人の哲学者。後にアメリカに亡命。ドイツ近代哲学の伝統を受け継ぎつつ、現代的課題への脱皮への道筋をつけた人、かな?解説は美文。 エミリエルヴィヒ・メイエルホリド(佐藤恭子) ドイツ系ソビエト人の…

「現代思想の109人」その1

友人の勤める大学を退官した教授がいろんな本や雑誌を放出していたのでもらってきてしまいました(村上陽一郎の『やりなおし教養講座』も偶然、一緒にもらってきたんですが、なんかスノッブな感じ〜)。わたしは基礎教養のなさについて常々劣等感を抱いてお…

『ミカ!』『ミカXミカ!』

伊藤たかみという人はさいきん書店の店頭ではじめて知ったのですが、学生デビューした芥川賞作家だそうです。読み始めはかなり頭にきました。つまりそれくらい魅力的だったということです。しかも現代児童文学の必須要件(お約束とも言う)である、家庭問題…

『トーマの心臓』

古本屋でとても状態のいいものをみつけたのですが、92年の16刷だから、全集の赤背ではラストなんじゃないかな。通して読み返すのは何年ぶり、ひょっとしたら十数年ぶりか。 完璧すぎます。 とくに最初の5枚。 あんまり使いたくない言葉なんですけれど、…

吉原昌宏作品集1〜3巻

メカニカルの描写力は本職のイラストレーター以上、キャラクターは悪役端役までみな魅力的、ストーリー構成力もピカ一、早大漫研・弘兼憲史のアシスタント出身で人脈もあるはず、しかし描くテーマがマイナーなためか、まったく不遇な漫画家である吉原昌宏さ…

『チーズスイートホーム』4巻

独居人にこれはキツイ。嗚咽。

「QUEER JAPAN」vol.5---夢見る老後!

2001年9月27日刊、編集長・伏見憲明 先ごろ亡くなられた岸田今日子さんが表紙になっています。この雑誌が出た当時は、わたしはまだ20代、再就職したてという時期で、この本のテーマにはまったく興味が持てず、高い値段と編集者やインタビューイーへの個人…

おすすめ「再チャレンジ」まんが三選

「負け犬」がマイノリティに助けられて新たな生き方を選び直してゆく作品群です。 ・滝沢聖峰『ガンズ&ブレイズ』(小学館 上下刊) 旗本の食い詰め三男として剣で身を立てることを決意し上野から函館まで戦い続けた幕軍陸兵と、火薬を使う武器が大好きな元…

『歴史に「もし」があったなら』

歴史改変エッセイ集。 出版社のバベルプレスという会社は、翻訳教育を本業にしているところのようで、複数の訳者は全員、ここのコースを終了した人です。時々意味不明な訳語が出てきますが、問題にするほどではなく、日本語としての水準はクリアしています。…

『キューバ紀行』

本書は1966年に岩波新書の一冊として刊行された堀田善衞の紀行文。革命直後の高揚した息吹が感じられ、文章的にもこなれていて読みやすい作品です。決してマルクス主義者ではないがそれを充分に理解した作家の手によるものなので、冷戦崩壊から15年た…

『鈴の音がさやさや』

6冊買った中で、最後に読んだ、一番期待していなかった作品なのですが……。秋里和国さんは一時期、秋里和国弐というどうにも胡散臭い名前に改名していましたが、元に戻したようです*1。しかし、いや、コレ面白いですよ。かってにアオリをつければ「商店街再…

『1限めはやる気の民法』

よしながふみのBL本。帝能義塾大学ア法学部を舞台にした、らぶらぶキャンパス漫画……ではありません。 わたしの友人知人を見ていても思うんですけど、慶應の人って大学(彼らの中では「塾」と呼ぶそうな)が嫌いな人が多いですよね。まぁそもそも出身校大好…

『TOMOI』

という、秋里和国の中では高く評価されているやおい漫画がありまして、個人的にはそれほど優れた作品だとは思っていないのですが、この中の台詞でとても印象に残っているものがあります。 失恋して傷心の主人公が呟いた「あーひとりでいたくない。売春でもし…

そういえば

今月最終回を迎えた名香智子の『水色童子K.K.』の主人公・古城守水音って、『はいからさんが通る』の藤枝蘭丸と同じ髪型で似たキャラなんですよね。蘭丸はダメだったけど、水音はハッピーエンドを迎えられて、なんだかすごくすっきりしました。

少女漫画経験値 2nd Set

http://d.hatena.ne.jp/kazume_n/20060323/p4#cで少女漫画経験値の第2セットを発見。さっそくやってみました。101人中、読んだことがある方が55人、うち自分で買ったことがある方が21人でした。今回も後者についてのみコメント。 <あ>新井理恵 『×…

『ふたりのために世界はあるの。』水城せとな著

「Betsucomi」がまだ「別冊少女コミック」だった時代の作品集。この単行本には少女漫画の王道を行く?純愛片思いモノ(1995)、主人公とヒロイン(男)が主従関係(ただしプラトニック)にあるSMコメディもの(1996)、主人公とヒロイン(男)が既にデキて…

少女漫画経験値

id:lepantohさんのところでみかけた少女漫画経験値というのをやってみました。100人中、読んだことがあるのは43人、買ったことがあるのは25人でした。購読していた(いる)雑誌の関係で、小学館、90年代以前に偏ってます。買ったことがある人につい…

AMAKUSA1637

赤石路代を好きだ!と書くのはかなり恥ずかしいことのような気がする。知識人を目指す(ここは笑うところです。念為)モノとしては自殺行為ではないか。同じ少女漫画家でも萩尾望都や大島弓子、吉田秋生、せめて惣領冬実、吉野朔実(古くてすいません)あた…

イオナ

先日の地震で寝床に落ちてきた一冊。澤井健には思い入れはないのですが、絵柄は好きです。代用教員として小学六年生の担任となった、型を外れ過ぎな教師・イオナと、その教え子たちの2年間の物語。この一巻の最初に、堅物で優等生のフェミニストである委員…

『海野十三敗戦日記』

海野十三といえば、日本SFの父ともいわれる人ですが、彼が空襲下の帝都でつけていた日記が中公文庫から新刊として出ています。http://www.chuko.co.jp/new/2005/07/204561.htmlSF作家というと合理主義の塊というイメージがあるのですが、熱烈な反共主義…