攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
わたしは「攻殻機動隊」については幾重にも屈折した感情を抱いています。
まず、原作が嫌い。頁のあちこちにところかまわず書き込まれる蘊蓄を読んでいるとイライラしてきます。なんで柱書きで作者に説教されねばならんのだ。
過剰に性を強調した手塚的な女性キャラも好きではありません。
押井監督は「パトレイバー2」まではかなり好きだったのですが、この作品の劇場版以降、とんと見なくなりました。
それというのも、歌舞伎町に見に行ったら公開2週間目にして既に打ち切り!になっていたからです。
これ以降わたしの中で、「攻殻機動隊」nearly equal「テクノポリス21C*1」という式ができあがりました。
(NHKは以前、「攻殻」がヒットしたというデマを報道したことがありますが、それはアメリカでのビデオセールスの話であって、国内では惨憺たる結果だったのです)。
これに懲りて、以後、押井作品を劇場で見ることをしなくなってしまいました。
しかしながら、去年ようやくビデオで見た「攻殻機動隊」は、原作の嫌らしい点=作者の拘りを見事に無化する素晴らしく嫌味な出来で、原作嫌いのわたしとしては喝采したのです。トグサやバトーのキャラクターも深みが出て、見事に押井キャラに昇華されていました。
さて、現在、地上波TVで放映されている「STAND ALONE COMPLEX」ですが、劇場版のテイストをベースにしながら、原作の「ウケ」ポイントを盛り込んだという感じで、「攻殻機動隊」のファンにとってはたまらない出来なのではないでしょうか。
わたしとしては、草薙の妙に扇情的なデザインのコスチュームが気になって、話に集中出来なかったりしたのですが。
光学迷彩の表現は、なかなかイケてると思いました。