おすすめ「再チャレンジ」まんが三選

「負け犬」がマイノリティに助けられて新たな生き方を選び直してゆく作品群です。
･滝沢聖峰『ガンズ＆ブレイズ』（小学館　上下刊）
旗本の食い詰め三男として剣で身を立てることを決意し上野から函館まで戦い続けた幕軍陸兵と、火薬を使う武器が大好きな元火消し町人の海軍砲兵が、五稜郭落城を前に脱走、開拓が始まったばかりの北海道を、任侠やアウトローガンマン、アイヌ、白人混血の娼婦らに助けられながら、官軍薩摩士官の探索を逃れて彷徨うロードムービースタイルの作品。
･谷口ジロー『天の鷹 SKY HAWK』（小学館　全１巻）
元会津藩士の二人が、北米西部でインディアンとともに騎兵隊と最後まで闘い抜き、生き延びる作品。
･安彦良和『王道の狗』（白泉社　全４巻）
自由民権運動に関わった自由党、天誅党の二人が石狩道路建設の強制労働現場から脱獄、アイヌや開拓農民、武術家・実業家・思想家・政治家らの助けを受け、新たな人生を獲得してゆく作品。前半は北海道が舞台。

現代を舞台とするならば、リストラされた会社員がホームレスや引きこもりに助けられて新たな仕事を見つけるような話になりますでしょうか。
P.S.
「北海道拓殖銀行の解体と運命をともにした元銀行マン、金野聡は、札幌大通公園でホームレスになりかかっていた。
　彼に手を差し伸べたのはすすきののソープ嬢、チンピラ、左翼崩れだった。あるゲイバーの住み込みバーテンダー兼用心棒となった金野の前に現れた、傷ついたタイ人少女が、彼を新たな戦場に誘う……
　元エリートの自己解体とその再生を描く犯罪小説」
　なんて感じでどうでしょう。……佐々木譲＋今野敏なんですけどね。