不平文士の節酒日記~ADHD 死闘篇

アルコール使用障害とADHD に立ち向かいつつある技術系会社員のブログ

リコール隠し

某自動車会社(ちょっと気の毒になってきたので匿名にします)についてものすごい勢いで報道がなされていますが、これはもはや国交省が国策として潰すことを決めたとしか思えません。
株価は落ちるところまで落ちるだろうし、国内での新車販売は絶望的*1でしょう。しかも某社は北米市場で一人負け(厳密に言うといすゞも負けてますが)の勢い。
しかし自分も自動車産業にいて思うのは、これはこの会社だけの問題ではないのではないか、ということです。
外観を左右するボディやインテリアなどは三次元CADなどを用い、お金と手間暇をかけて厳密に設計されていますが、伝統的な手法でつくられている出力伝達系の主要部品(安全に死活的に重要な部分)は、それに相応しい経験主義的な方法(要するに手作業とか)で工程設計されていることが多い気がするのです。
既に信頼性を勝ち得ている古くからの部品ならばそれでもいいのですが、何かと軽量化が求められる昨今、「とにかくやってみろ」という精神主義で薄くしたり細くすることも多いのではないかと妄想されます(考えてみたら、まさに日本軍の飛行機がそういう製品でした)。
しかし古い部品というものもむやみに重くつくっているわけが無く、あっちを立てればこっちが立たずという形で結果的に危険な部品が生産されてしまう。
そんな経歴を持つ部品が、某社に限らずあちこちにありそうな気が、かなりする。
ただし、トヨタに限っては、動力系も管理が厳しそうな気がします。これは「トヨタ幕府」(http://d.hatena.ne.jp/erohen/20040507)と言われる強烈なヒエラルキーと、それに基づく最上流からの徹底した品質管理がものを言っているのだろう、と思います。
世界でもっとも成功した封建主義国家は、実は愛知にあったのだ!

*1:某誌には、「いま、***に乗る男こそサムライ!」という笑えないアオリが……