左翼の風上にも置けない
ニッケイ新聞という会社がブラジルにあります。日系移民を対象にした新聞社です。文章力にやや問題はありますが、南米の情報を日本語で伝えてくれる貴重なメディアです。
この新聞、論調を見るといちおう左翼系*1であるらしいのですが……。
チャベス大統領やモラレス大統領は左翼政治家ではない。その生い立ちを見ると、チリやブラジル、ウルグアイにとって左翼の風上にも置けない輩であると思われる。公金を貧しい人にバラまいただけの迎合主義者である。
チャベス大統領の力は、原油暴騰に乗った幸運であって実力ではない。モラレス大統領は農民一揆の頭目に過ぎない。左翼思想などなく、コカ栽培で生計を立てる社会疎外者だ。モラレス大統領はボリビア以外の国では一市民として扱われない人物だ
結論からいうならチャベス・モラレス連合は、狂信といえそうだ。狂信には根拠がないし、長続きもしない。アンデス山脈の山賊は、山間の貧乏人を集めて金をばらまくと約束したのだ。金の使い方も分らない無法者が破産するのも時間の問題である。
http://www.nikkeyshimbun.com.br/060705-33brasil.html
……いや……農民一揆を馬鹿にしたり、民主的に選出された政治家を「社会疎外者」とか「一市民として扱われない人物」とか「山賊」とか「無法者」とか決め付ける人のほうが問題だと思うんですが……。
ちなみに、エボ・モラレス大統領はボリビアで初めて最高権力者の地位に登りつめた先住民です。貧しいコカ栽培農家の代表なのだそうですが、コカを茶や薬として用いてきた先住民の文化を破壊しようとするアメリカの介入*2と闘っているそうです。
アメリカ合衆国に中南米の麻薬と本気で闘う気がないのは、麻薬撲滅を大義名分に掲げて軍事侵攻までしたパナマの麻薬流通量が逆に大幅に増加しているという事態*3からも明らか。