不平文士の節酒日記~ADHD 死闘篇

アルコール使用障害とADHD に立ち向かいつつある技術系会社員のブログ

原爆投下と北海道

大日本帝国では、海軍は英米を、陸軍は中ソを仮想敵と看做して戦力整備を行うという支離滅裂なことをしていた(主な理由は、より強い敵を仮想しておかないと予算や部隊が減らされてしまうから)のですが、終戦時、海軍はもはや英米に対抗すべき戦力を持っていませんでした。
それに対し、陸軍はいちおう、中国とは伍して戦っていましたし、ソ連にも備えていました。
ただし、満州に配置されていた精鋭関東軍の主力はフィリピン戦に抽出され壊滅しています(50万人の日本兵が戦死。フィリピン人の犠牲者は111万人とも)。
東北諸藩の蝦夷地警備兵や、明治の屯田兵をルーツに持つ北海道の精鋭第七師団は充足され動かされていなかったため、ソ連が海を越えて北海道を奪うのはアメリカの全面的な支援がなければまず不可能な話です。
長崎の犠牲で北海道がたすかったなどという噴飯ものの歴史認識は、軍事史に対する無知を曝け出しています。