不平文士の節酒日記~ADHD 死闘篇

アルコール使用障害とADHD に立ち向かいつつある技術系会社員のブログ

組織犯罪の憂鬱

アメリカでの大量殺人は、銃器管理に甘い社会風土が招いた犯罪としか言いようがないですが、日本のほうはあきらかに組織暴力、暴力団の問題が大きい。
石井紘基やオウムの村井秀夫も暴力団やその周辺にいる職業右翼に殺害されました。
わかりきっているにも関わらず、何故、手がつけられないのでしょうか。

長崎市長射殺に共犯者浮上 車乗り捨て姿消す(04/20 02:37)」
 長崎市長射殺事件で、逮捕された指定暴力団山口組水心会(解散届提出)の会長代行、城尾哲弥容疑者(59)が伊藤一長市長(61)に発砲した前後、現場近くで共犯者とみられる男や不審な車が目撃されていたことが19日、長崎署捜査本部の調べで分かった。

 捜査本部は、城尾容疑者の逃走を手助けしようとしたり、犯行を見届けたりするような役割だった疑いが強いとして、重大な関心を寄せており、背後関係を調べている。

 調べでは、城尾容疑者が市長に発砲した17日午後7時52分とほぼ同じころ、現場から約10メートルのバスターミナル脇の路地に国道から黒っぽい乗用車が進入し、急停車。城尾容疑者は銃撃後、車の方向に逃走しようとしたが、近くにいた伊藤市長の関係者らに取り押さえられた。

 車は髪を茶色に染めた20代前後の若い男が運転していたが、前方から警察車両が近づいてくると車を乗り捨て、集まってきた人込みに紛れるように立ち去ったという。

 また、銃撃前の午後7時45分ごろには、バスターミナルの喫煙所に暴力団員風の男2人がいるのを、バスの運転手らが目撃。この2人も銃撃直後に姿を消した。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/21549.html

「容疑者所属暴力団 解散直後に再結成 事件関与? 不審車両目撃証言も」
 長崎市長射殺事件で、逮捕された城尾哲弥容疑者(59)の所属する指定暴力団山口組水心会長崎市)が、事件発生の翌日、組の解散届を長崎県警に提出しながら、名称を変えて再結成の動きを見せていることが19日、分かった。選挙運動中の市長を背後から銃撃するという前代未聞の犯行に市民の憤りが高まる中、県警捜査本部は地元暴力団が組織温存を狙った「偽装解散」の可能性もあるとみて調べている。

 また、捜査本部は、事件当時、現場近くに水心会関係者の車両に似た車が止まっていたとの目撃証言もあり、同会トップの会長や、城尾容疑者の運転手役とみられる組員からも事情聴取。組織的関与がなかったか調べている。城尾容疑者は、動機など核心的な部分については「黙秘します」などと話しているという。

 関係者によると、水心会の会長が事件翌日の18日、県警本部を訪ね「会員(城尾容疑者)の責任を取り、解散するとともに引退する」との解散届を提出した。

 しかし、会長代行だった城尾容疑者に次ぐ幹部が中心となり、名前を変えて組織の再結成を計画。山口組総本部(神戸市)と連絡を取りながら、福岡市にある山口組系組織の傘下となる方向で準備。解散前にいた数十人の構成員らの大半が、新たな組織に移る動きを見せているという。

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/nagasaki/20070420/20070420_012.shtml
ちなみに下の記事の引用元である西日本新聞は、伊藤市長の弔い合戦に出ている娘婿、横尾誠氏が在籍していた新聞社です。
この娘婿氏、なかなか興味深い人物です。

弊紙が誇る変態風俗専門記者の横尾誠氏も「ええオンナや」といっている斉藤綾子も激賞!

http://www.nishinippon.co.jp/media/A-3000/9801/book/satou.html

「犯罪エリート集団」中島河太郎編(角川文庫)
 義理の妹の書棚から失敬。いずれ返す。この妹はなかなかの美人である。

別冊宝島「ザ・風俗嬢」
 1月22日夕、長崎市でバスジャック事件が発生。急遽応援取材に行く。一泊して23日午後、長崎市から帰る途中、JR長崎駅の本屋で購入。移動中読みふける。面白い。ちなみに私の担当は県警の中でも生活安全部と交通部。生活安全部というのは少年犯罪や消費者問題覚せい剤、さらには風俗関連の事件(風俗店が未成年を雇っていたとか、裏ビデオを販売していたとか)を担う部署のため、こういった本も取材上の基礎知識を得るために必要なのである。ほんとなのである。

「宇宙の戦士」(ロバート・A・ハインライン著、早川文庫)

ポールバーホーベン監督(結構好きな監督の一人)がこの本を元に映画「スターシップ・トゥルーパーズ」(原題通り)を制作、現在公開中、ということで久しぶりの再読。映画の予告なんかからすると、宇宙を舞台にした冒険活劇、といった感じだが、少なくとも原作に関していえばこれは全くの誤り。この本はハインライン先生の道徳教育書で、少年が軍隊に入り一個の人間として成長していく過程を追った書である。「暴力は歴史上、ほかの何よりもまして、より多くの事件を解決している。その反対意見は希望的観測に過ぎぬ。この事実を忘れた種族は、その人命と自由という高価な代償を払わされてきた」……保守反動的思想を持ったSF作家として知られるハインラインの主張ばりばり。初心者の方は名著「夏への扉」(この小説をモチーフにした同名の曲が山下達郎にあります)をすすめます。

「実録『仁義なき戦い』戦場の主役たち」(洋泉社MOOK)
戦後やくざ抗争史上最大の広島抗争を元にした映画「仁義なき戦い」。その第1作上映から25年ということで、本屋にいくとあやかり本が結構置いてある。この本は、映画の原作となった飯干晃一の小説「仁義なき戦い」の視点とあわせて、当時抗争の渦中にあった人の新証言、日記を元に事件を再検証しようという本。映画の登場人物の本物と、それを演じた役者の写真がならべてあったりして、映画、小説ともに大好きな私にはよい。資料価値もある。

なお映画(ビデオだが)もひさびさに「フルメタルジャケット」「アンダーグラウンド」。「フルメタル」は敬愛するスタンリー・キューブリック監督。何度も見たくなる映画ってやつですな。

http://www.nishinippon.co.jp/media/A-3000/9801/book/yokoo.html
いやぁ、一気にファンになりました。斉藤綾子にバーホーベン、クーブリックですよ!
こんな人間が市長になるかも知れないとは、伊藤市長を殺そうと決意した連中はまったく気がつかなかったんだろうな。長崎市の組織犯罪に立ち向かう元アウトサイダー記者、かっこいいじゃあないですか。