『機動戦士Ζガンダム A New Translation II 恋人たち』
「恋人たち」というサブタイトルですが、煽り文句の「キスの記憶…」のほうがマッチしていた気がします。恋愛映画というほどのものではなく、青春映画ですね。
前作と同じく、『機動戦士ガンダム』をまったく知らない方にはお勧めできません。固有名詞が理解できなくてストレスが溜まると思われます。
ドラマは前作と同じく、スピード感と情報量で飛ばしていきます。今回はTV版の構図をそのままリライトしたカットがいくつかありました。そのせいか、TVの絵をそのまま持ってきた部分がやや少なくなっていた気がします。
逆に『逆襲のシャア』ではリライトされていたララァの戦死シーンは、『めぐりあい宇宙』のものがそのまま使われていますが、これは回想シーンですからむしろ違和感なし。しかしまぁ、何をやったって継ぎ接ぎ映画という印象は否めません。なぜ完全新作にしないのか非常に疑問です*1。CGで戦艦を動かすシーンがいくつかあり、これも格好はいいのですが、いまひとつ他の絵に馴染んでいませんでした。
あとシナリオのチェックが甘すぎます。ダカールは南アフリカの都市ではない*2し、巡洋艦アーガマが補給を受けていたのはグラナダではなくフォン・ブラウン市です。
今回は声優の変更でも一騒動ありましたが、話題のフォウ(ゆかな)はあまり気になりません。でも一晩寝たら脳内で再生される声は元(島津冴子)に戻ってました。問題はサラ。TV版の声優(水谷優子)は圧倒的に下手なのですが、逆に池脇千鶴の達者な演技が「神経質かつ無神経」という元のキャラクターに合わず、別人格になってしまいました。
カツ、ハヤトの親子は気になりませんでした。ハマーン様は老けられた。あれで二十歳はないでしょう。ブライトさん活舌悪すぎ。アル中疑惑は本当か?
観終わって一番気になったのは、アポリーのファミリーネームがレイなのかメイなのかベイ*3なのか、ロベルトはどこへ行ってしまったのか、ヤザンの体でか過ぎ、の三点でした。
韓国人や中国人のスタッフ名を漢字ではなくアルファベットで表記するのは、監督の趣味なのかな。