不平文士の節酒日記~ADHD 死闘篇

アルコール使用障害とADHD に立ち向かいつつある技術系会社員のブログ

イラクで日本人傭兵誘拐される

PMF(privatized military firm, 民間軍事会社)の警備員だったようです。彼らは民間人であると言われることもありますが、並の兵隊とは比較にならないキャリアを積んだ熟練した兵士であり、国家に属せず契約によって軍務に服するという点で、定義上は傭兵と違いがありません。
傭兵(mercenary)という存在は、「戦争の犬」と言われるように、金のために殺し合いをする汚い連中というマイナスのイメージがつきまとっていましたが、PMF は最高の装備を持ったエリートであり、若いミリタリーファンにとっては憧れの存在といっていいでしょう*1
車列の彼以外の兵士は全滅したらしく、米軍の増援が出来たのは遺体の回収だけだったという報道もあります。いくら経験を積んだ優秀な兵士でも、地の利を得た敵の待ち伏せには無力ということです。
これはまた、イラクの米軍は中国の日本軍のように、連絡線の確保にも苦労しているという現実を示してもいます。
イラクベトナム化する、という一部の軍事評論家や政治家の警告を、大方の軍オタは状況が違うと笑ったものですが、選挙も終わり、状況が劇的に好転する要素が何も無い今、ネガティブな方の予想が優勢になっているように思います。
被害者の日本人は受傷しているようですが、是非とも生還し、イラクのいまを語ってほしいと思います……もっとも、プロは契約に縛られていて、そんなことは出来ないのかも知れませんが。

*1:例えば、エアーソフトガンのトップメーカーである東京マルイは、PMF のひとつである「ブラックウォーター社」仕様の自動小銃を発売したりしています