不平文士の節酒日記~ADHD 死闘篇

アルコール使用障害とADHD に立ち向かいつつある技術系会社員のブログ

『海猿』

久しぶりに文句なく感動したと言える作品です。劇場でこんなに泣いてしまったのは数年前に見た『さよならドラえもん』、いや高校生の時に見た『エースをねらえ!2』以来か。
ストーリー自体は、人種差別との闘いという要素のない『ザ・ダイバー』、あるいは貧困からの脱出という要素のない『愛と青春の旅立ち』*1なのですが、現代日本のごく平凡な(海上保安庁の入庁試験は難しいので、総じて頭はいいのだろうと思われますが)青年たちを主役にしている点で、まず親近感が違います。
全国海上保安官のわずか1%しかいないという、潜水士の研修を受ける14人の研修生とその教官達を主役として、彼らが50日間の研修を終了するまでを描いてます。
監督はテレビ出身で、これが初映画監督作品となる羽住英一郎。37才の若手ですが、慣れた手つきで隙のない映像を組み上げています。
女性海上保安官がまったく映らないわけではありませんが、基本的には男だけのホモソーシャルな世界というわけで、やおい好き、マッチョ好き、若専、フケ専どなたにも満足して頂けるいい男が勢揃いしております(デブ専の方には不満が残るかも)。女性キャラでは、食堂の給仕をしている杏子が素敵な女っぷりです。加藤あいも悪くないです。
メカフェチとしましては、主人公達が研修で乗船する巡視船PL05「はかた」のペンキが、剥げ落ちて錆を晒しているあたりが嬉しいところ。
あと、合宿所の片隅に張られた「打倒海自!」の檄ビラには笑いました。その通り!
しかし、池袋のシネコンで初日に見たのですが、席はガラガラ。あんなにテレビCM打ってるのに大丈夫かな……。
というわけで、みなさん見に行きましょう。

*1:わたしはこの映画、大嫌いです