不平文士の節酒日記~ADHD 死闘篇

アルコール使用障害とADHD に立ち向かいつつある技術系会社員のブログ

確信的な周縁の排除

本作品でおきる事件の根本原因をつくったマッドサイエンティストは規格外のデブである(外見からすると体重は200キロ以上あるだろう)。
事件を引き起こした第一の当事者(彼も立派なデブ)、そしてラスボスは男性同性愛者である。そして彼らによる行為は忌まわしいものとして描写される。
ラスボスは「ハゲ親父」と罵倒される。
そして主人公はコケティッシュな魅力のある若い女性、知的でクールビューティーな女性、この二者は夢と現実の舞台で使い分けられているが同一人物。
つまり、この作品はその物語性の成立のために様々な差別を利用し、結果として様々な規範を強化するものであり、差別と闘ってきた人間のひとりとして、決して讃えることはできない。
ラストシーンでは、一緒にDVDをみていたバイセクシュアルの後輩と顔を見合わせ、
「ひどいヘテロノーマティビティだよねー」
と言ってしまいました。