不平文士の節酒日記~ADHD 死闘篇

アルコール使用障害とADHD に立ち向かいつつある技術系会社員のブログ

重火器とは何か。

LTTE支配地域で2000人以上の患者がいる病院の男性医師は毎日新聞の電話取材に、「迫撃砲が飛び交っている」と指摘。政府軍かLTTEのいずれかは不明だが、重火器を使用しているとみられる。

http://mainichi.jp/select/today/news/20090515k0000m030065000c.html?inb=ff
スリランカで25年間にわたって闘争を続けてきた「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)にも、いよいよ最期の時が近づいてきているようです。
ところで、「重火器」heavy arms に対する「小火器」small arms の定義にはいろいろあります。

日本語Wikipedia ttp://ja.wikipedia.org/wiki/重火器
では、

砲であっても歩兵砲や迫撃砲は小火器に分類される。

と書かれています。これに従うと、大隊火器(迫撃砲中隊装備)の81mm迫撃砲(自重40〜60kg)や、下手をすると120mm迫撃砲(自重150〜300kg)も小火器になってしまい、無理がありすぎです。

  • 個人で運用する兵器。

わたしはこちらの説をとっていました。日本語Wikipedia ttp://ja.wikipedia.org/wiki/小火器や、英語版Wikipediaもこちらです。
しかし、中〜大隊火器で、個人でも運搬、その気になれば射撃もできる60mm迫撃砲(自重20kg)は威力的に重火器とは言い難い。また、同様に中〜大隊火器であった昔の重機関銃など、運搬も一人ではままなりません。
英語版Wikipediaですと、複数人で運用し、口径120mm未満の火器は、「歩兵支援火器」infantry support weapon という別のカテゴリーに含まれており、こちらの定義の方がすっきりします。また、軽火器light weapons という言葉もあり、これらは小火器と歩兵支援火器を含めた用語のようです。
ところで、迫撃砲というのは強力ながら命中率がおそろしく悪い兵器で、本来は野戦における面制圧や、塹壕戦でのラッキーヒットを期待して使うものです。民衆を盾に都市に立て籠もるゲリラを掃討するのに使うには、著しく不適切な武器です。
イスラエル軍も、ガザ地区迫撃砲によって白燐弾をばら撒いておりましたが、これは心理的効果か、野積みの物資に対する焼夷効果を期待したものと考えられます。
言葉の定義は別にして、スリランカ軍は無差別殺戮的な容赦ない制圧作戦を行っているようです。