「現代思想の109人」その2
- エルンスト・カシーラー(生松敬三)
ユダヤ系ドイツ人の哲学者。後にアメリカに亡命。ドイツ近代哲学の伝統を受け継ぎつつ、現代的課題への脱皮への道筋をつけた人、かな?
解説は美文。
- エミリエルヴィヒ・メイエルホリド(佐藤恭子)
ドイツ系ソビエト人の俳優、演出家。
注目せざるを得ないのは彼が妖艶なる眼鏡美青年であるところの作曲家ショスタコーヴィッチに寄り添っている写真。後方には渋い詩人マヤコーフスキイが。やおい3角関係か!?
本人もモスクワ大学法学部を1年で中退後、名門音楽演劇学校に編入してそれ以降は俳優、演出家としてソビエトの頂点を極めまくる憂い顔のハンサム。腹たつなぁ。60代で失脚して謀殺されますけど。
ヴィーン(ウィーン?)生まれのユダヤ人。ドイツ音楽の伝統を受け継ぐことを自負する音楽家だが、それを締めくくったとも。画家でもあったそうです。
- マックス・シェーラー(生松敬三)
「半ユダヤ人」のドイツ人でジャーナリスティックな思想家。
スイスの精神科医、心理学者。改革派牧師の息子。
「フロイトとアドラーの性格の差などから発想した『人間のタイプ』を発表し、ようやくフロイトからの別離の痛手から立ち直った」……ここにもなにやら腐臭が……
ウィーン生まれ、ユダヤ人迫害の手を逃れてイスラエルに渡る。バリバリのユダヤ教徒の思想家で、キリストを通さない神との関係をベースに現代社会を批評。
- イザドラ・ダンカン(海野広)
アメリカ生まれの舞踏家、ヨーロッパに渡って人気を博した。
コルセットから自由になったダンサーとして広い意味では女性解放の文脈にも位置するのでしょう。知らなかったけど。性的自由と不自由の連関で語る解説は面白いのですが、本人のことはよくわからじ。