「ヨーロッパ最後の独裁者」
チャベス大統領が手を組んだというベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領についてちょっと調べてみました。
経済面ではソ連崩壊後の経済危機を乗り切り、国内総生産の成長や工業生産の回復など一定の成果を収めており、ベラルーシの1人当たり国民所得は中所得国水準を維持している。
2005年、アメリカ合衆国のジョージ・ウォーカー・ブッシュ大統領は、打倒すべき独裁国家のひとつとしてベラルーシを挙げた。2006年3月19日に行われた任期満了に伴う大統領選挙で、得票率82.6%で圧勝し3選を果たした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B3
保守的な経済運営によって共産主義から混合経済へのソフトランディング中のようです。国民一人当たりGNI 2140ドル(2004年:世銀)は、ロシアの半分以下ながらウクライナの1.7倍ですから、必ずしも低いとは言えません。
その実態はさておき、汚職を追及する庶民派として国民に親しまれており、強く支持されているようです。
野党もありますし、野党の大統領候補がテレビでルカシェンコの私生活を暴露したり、武器輸に関する汚職疑惑を糾弾したりしているそうですから、選挙のない北朝鮮やキューバのような独裁国家とは根本的に違うと言えます。
http://www.geocities.jp/hmichitaka/2006elections.htm
選挙にはかなりの不正があったようですが、僅差で勝っているわけでもなく、選挙結果をひっくり返したとも言われるどこかの大統領にアレコレ言われたくないんじゃないか。
こちらの評伝を読むと、キャリアは意図的に隠蔽されているようです。断片的な履歴から見ると、母子家庭の困窮層から大学に進学し、学生の頃から政治畑を歩き続け、諜報関係との人脈も強いようです。ロシアのプーチン大統領に近いバックグラウンドと言えるでしょう。
ちなみに武器輸出に関しては世界のベスト10に入るそうです。
- 1位 米国 377億ドル
- 2位 露 207億ドル
- 3位 仏 83億ドル
- 4位 独 49億ドル
- 5位 英 48億ドル
- 6位 ウクライナ 26億ドル
- 7位 伊 17億ドル
- 8位 中国 15億ドル
- 9位 蘭 15億ドル
- 10位 ベラルーシ11億ドル
米露には負けますが、人口一千万程度の国としてはなかなかの健闘振りです。
ベラルーシの首都ミンスクにはソ連軍のトラック、トレーラーを生産する工場があり、「スカッド」ミサイルなどはここでつくられた車両に搭載されます。また、アフリカなどに空軍の中古機を売りさばいているそうです。
空軍は300機もの近代的戦闘用航空機*1を擁し、これは人口ひとり当たりから見るとイスラエル並みの非常識な強力さです。この辺も嫌われている理由のひとつかな。