新しい運動
というものは、当然ながら多かれ少なかれそれ以前の運動の知見を借りて行われているもので、例えばウーマン・リブはマルクス主義革命運動や学生運動、労働組合運動から多くのものを継承しましたし、フェミニズムはウーマンリブから、ゲイ・リブ(同性愛解放運動)はフェミニズムから多くのものを受け継いできました。クィア(カタカナで「ヘンタイ」とでも訳しましょうか)の解放運動は、ゲイリブの中から産まれてきたと言ってもいいものです。
しかしながら、新しい、下流の運動は、たいていの場合古い、上流の運動から阻害を受けました。
例えば、マルクス主義者は女性解放運動家に対して革命成就の暁には即ち女性は解放されるという与太話を吹聴しましたし、ウーマンリブ活動家はフェミニズムを学者と専業主婦の趣味に過ぎないと扱き下ろし、最近の一部フェミニスト*1は「ジェンダーフリー」について「女性解放運動を精神論にすり替えた」と非難します。
*1:http://d.hatena.ne.jp/o-tsuka/20060413で取り上げたような人たち