不平文士の節酒日記~ADHD 死闘篇

アルコール使用障害とADHD に立ち向かいつつある技術系会社員のブログ

Zガンダムとガンダム展

ササキバラ・ゴウ氏は、その盟友である大塚英志とは違って、誠実で真面目な論の運びをする人ですが、これはいかがなものか。

私にとっては、ガンダムや他のアニメやまんがを通じて、「戦争」や他の大きなテーマを語ってしまうというのは、「語ろうとしたときに、しょせんガンダム程度の材料しか持っていない自分たち」というある種のアイロニーの自覚が伴う行動なのであって、その屈折が感じられない言説や表現というのは、見ていてどうにもつらいのです。中には、そういう自覚の感じられる作品もありましたが、多くは主催者側のテーマ設定を真に受けて(あるいは、実際のガンダムという作品内容とはかけ離れている富野監督の「語り」を真に受けて)、疑問を持たずに創作している空気が濃い。語ろうとする自分が「張り子」でしかないという自覚が伴わない展示は、どれもつらいのです。

http://homepage3.nifty.com/sasakibara/
いやぁ自覚は充分あったと感じますけどね。
たしかに、主催者側が各作品についてつけた短評は的外れもいいところだったと思いますが、しかし適切に書いては展示意図が台無しになる可能性もあったと思います。
どういうことかと言いますと。
ガンダムを見て戦争を考えるなんて(ナンセンスだ)」というのは安彦良和様の名台詞ですが、否も応もなく、ガンダムはわたしたちの戦争体験なわけです。
しかし、いい歳をした大人が、現実がガンダムとは違うことをわかっていないわけがないではありませんか。
あの展示は、そんなことは百も承知の上で、ガンダムから離れることの出来ない大人の愚かさをこそ描き出したものだと思います。
つまり、『逆襲のシャア』における富野のテーゼ、「男=バカ」です。
その証拠に、メイン展示の最初と最後にララァ・スンの影があり、そしてその後に『ガンダム神像』というナンセンス画が掲示されているのですから。
というわけで、1/1コアファイター最高でした。スコープドッグよりも、わたしはこちらを買いますね。永久展示希望。