不平文士の節酒日記~ADHD 死闘篇

アルコール使用障害とADHD に立ち向かいつつある技術系会社員のブログ

日本にはこんなにすごい映画がある!

9・11ショックのせいか、最近、話題が政治に偏ってましたので、久しぶりに文士的な話をば。
旧聞に属しますが、『デビルマン』(2004)は多くの方々の記憶に残るPTSD映画となったようですね。ここでは記録として残る失敗作をあげてみたいと思います。
金融バブルとITバブルのジャパンマネーを米帝に貢いだ「売国映画」3選です!

『クライシス2050』(1990)

NHKエンタープライズ制作。共同制作の学研を経営危機に陥れた。制作費70億円(邦画歴代2位)。
失敗作『さよならジュピター』を下回る作品として一部のSFファンに知られる。
主演は『アニマルハウス』(ふつう知らない)のティム・マティスン。
準主役でチャールトン・ヘストンが出てます。
音楽はモーリス・ジャール
デザイナーは『YAMATO 2520』や『ターンエーガンダム』で知られる(違う?)シド・ミード
アメリカではアラン・スミシー*1監督作として公開されました。ネタバレしますがラストシーンは『鉄腕アトム』。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~madison/worst/sf/crisis.html
http://jtnews.pobox.ne.jp/movie/database/treview/re2626.html
NHKは関係者が生きているうちにちゃんと総括をして下さいね。

*1:恥ずかしすぎて本名を出したくない場合に使われる変名

『落陽』(1992)

にっかつを再び傾むかせた日活80周年記念映画。制作費50億円(邦画歴代3位タイ)。
超大根役者の加藤雅也主演。
ダイアン・レインとかユン・ピョウとかドナルド・サザーランドとかにしきのあきらとか内藤陳とか立川談志とか団鬼六とかキラーカーンとか黒田アーサーとか水野晴郎とか煌びやかな?面々が出てます。満州馬賊を演じる宍戸錠がかっこよかったのですが加藤雅也にあっさりやられる。『ブラックレイン』のラスト並に納得いきません。
シベリア超特急0/バースデイ』に改題せよ、との妥当な提案が。
http://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=9076
音楽監督は……モーリス・ジャール
主題歌はエラ・フィッツジェラルド
映画についてはまったくの素人である原作者の伴野朗が監督としてクレジットされているのは、前任者が逃げたからという説や、作品の出来の悪さについての責任を転嫁するためという噂があります。6名が脚本に名を連ねているあたりに現場の混乱が偲ばれます。
http://park8.wakwak.com/~ban/eiga/rakuyou.html
http://www.jmdb.ne.jp/1992/dp001830.htm

ファイナルファンタジー(2001)

実はこの映画は見ていないんですが、前二作の過ちに学ばず、歴史を繰り返した日本人の愚かさとして特筆しておきたいと思います。
スクエアを傾かせ、合併に追い込んだ映画。総制作費は邦画歴代ぶっちぎりの1位、164億円(1億3700万ドル)。全米での興行収入は3200万ドル。
主演(声優?)は『ER』のミン・ナ。国辱映画『パールハーバー』のアレック・ボールドウィンとか、ドナルド・サザーランドとかが……
音楽は『エイリアン3』などのエリオット・ゴールデンサル。
http://jtnews.pobox.ne.jp/movie/database/treview/re2741.html
教訓:ミードとジャールとサザーランドには気をつけろ(ちょっと違う)。
ちなみに、『デビルマン』の総制作費は10億円。『キャシャーン』も10億円、『ゴジラ』シリーズも10億円。特撮ものとしてはアベレージです。
アニメだと、『イノセンス GHOST IN THE SHELL』が10億でわりと安い(ただし、押井守は制作中止になった『G・R・M ガルム戦記』で相当なお金を使っています)。『ハウルの動く城』16億、『千と千尋の神隠し』17億、『もののけ姫』20億、『となりの山田くん』23億、『スチームボーイ』が24億。『スチームボーイ』の絵的完成度は凄まじいのですが、制作費や制作期間(9年)も日本アニメ史上最高だったわけですね。
そうそう、今度、『男たちの大和/YAMATO』を25億で制作する角川春樹は、『天と地と』(1990)では50億円(邦画歴代3位タイ)を使い、角川書店に大損害を与えたと言われています。道楽で破滅する、そんな角川社長はまさに「憎みきれないろくでなし」。文士たるもの、こうありたいものですね。
ごめんなさい、やっぱりムリです。