不平文士の節酒日記~ADHD 死闘篇

アルコール使用障害とADHD に立ち向かいつつある技術系会社員のブログ

『不安な兵士たち−ニッポン自衛隊研究』

ザビーネ・フリューシュトゥック著を購入(ザビーネって、男性の名前とは限らないのですね。*1いや、ガンダムにそういう名前の美形悪役キャラが出てくるんですけど)。
原題は"UNEASY WARRIORS: Gender,Memory,and Popular Culuture in Japanese Army"。

不安な兵士たち ~ニッポン自衛隊研究

不安な兵士たち ~ニッポン自衛隊研究

この本は間違いなく売れずに断裁処分の運命でしょう。何故か。
まず、原題にあるように、この本はジェンダー論やポップカルチャーをメインテーマにした本です。著者はウィーン大学を出てカリフォリニア大学の東アジアセンターの所長をしているという社会学者。
本文244頁、注釈24頁、参考文献リスト44頁の本格的な論文スタイルの書籍です。
当然、上野千鶴子斎藤美奈子佐藤文香も文献リストに載ってます(この書き込みでid:june_tは購入決定ですね、わかります)。
しかし、出版元の原書房は軍オタ御用達の会社で、翻訳者も社会学書を訳したことは無さそうな気配。翻訳は逐語訳に近く、例えばこんな具合。

この九年間、本書の調査は、私をウィーンの日本防衛駐在官オフィスから東京にあるそれと同じような場所へ、そこからさらに日本中の自衛隊の基地へと連れて行った。

ホラ、買う気なくなるでしょ?
しかし、自衛隊ジェンダー論とポップカルチャーと言えばわたしは日本でも数少ないトリニティのひとりであります。
あきらめて買いました。
たぶん、全文読むことはないと思いますが、面白い内容があったら書いてみます。
<追伸>
何の気なしに折り込みのチラシを眺めていたら、本書の隣の頁にバリバリのマルクス主義者(自称)である師匠の新刊が……すいません、原書房はアカの本も出してました。

*1:ザビーネは女性の名前だそうです