不平文士の節酒日記~ADHD 死闘篇

アルコール使用障害とADHD に立ち向かいつつある技術系会社員のブログ

戸籍制度

以下の記述は、
http://www.mizu.cx/minpo/siryo02.html
http://mizushima-s.pos.to/lecture/2002/021211/021211_05.html
に大幅に依拠していますが、もちろん文責はわたしにあり、しかも学問的裏づけを欠いていることをあらかじめお断りしておきます。
世界各国の身分登録制度は

  1. 事件別編成方式(出生、結婚、死亡の事件によって記録する)
  2. 人的編成方式(個人、あるいは家族単位で記録する)
  3. 戸口別編成方式(同居の生活単位で記録する)

の3種類にわけられそう。
1.では個人の身分変動を一覧できない(アメリカ、カナダ)か、しにくい(その他の大半の欧米・旧ソ連諸国)。
2.の人的編成方式を採用しているのは日本、韓国、台湾(家族単位で管理)とオランダ、スウェーデン(個人単位で管理)。
3.は身分変動をあらわさない。
明治以降の日本の戸籍制度(以下、明治戸籍と称す)は人的編成方式の一つですが、その中でも

  1. 家族単位の登録
  2. 筆頭者がある
  3. 同居の実態と関係のない血縁主義

という特徴があります。
日韓台にこの制度があるのは、日本の植民地支配によって整えられたという経緯によります。
しかし現在、台湾では運用停止となり、韓国(韓国の戸籍制度は戸主制度といい、戦前の日本と同じく、家父長が家の財産の管理権を持つさらに前近代的なものだった)*1では今年廃止されて個人単位の管理に移行しています。あ、北朝鮮は戦後すぐに廃止したらしい。
他国の身分登録制度を見てみると、明治戸籍といちばん似ているように見えるのがドイツの「家族簿」。
ナチスの人種政策に活用するためにつくられたもので、家族単位の登録が追加されています。が、筆頭者はありません。他にスイスも家族単位の登録を行っているそうです。
中国の「戸口」という制度は物理的な「戸」、つまり一つの生活単位(集合住宅でも、あるいは一部屋でも)で同居している人々による管理だそうで、これを日本語で家族と呼ぶかどうか、自民党の現幹事長代理のような人は悩むところではないでしょうか。
明治戸籍の最大の問題点は、身分変動・親族関係・居住地の変遷という個人情報が一目瞭然という点にあると思います。
現在、戸籍情報の電子化は着実に進められており、しかも戸籍をオンラインでつなぐという構想もあるとか。
個人情報保護とか言うなら、まず戸籍制度をもう少しグローバルスタンダードなものに変えるべきなんじゃなないでしょうか。

*1:ちなみに韓国の右翼は戸主制度の廃止に対し、「わが国の伝統を破壊する暴挙」と強く反発したそうな。なんだかなぁ