不平文士の節酒日記~ADHD 死闘篇

アルコール使用障害とADHD に立ち向かいつつある技術系会社員のブログ

今日の渡辺多恵子

  • マルコのプリズムシリーズ1『たて・よこ・ななめプリズム'80』より
    • 「スカイウィークの未亡人」

キャンディ・キャンディ』『ベルサイユのばら』が末期の代表的作品といえるでしょうが、かつて少女漫画は「憧れの欧米」世界を舞台にすることがたいへん多かったのです。
萩尾望都ですら、初期の代表先『ポーの一族』『トーマの心臓』が欧州を舞台にしていましたし(まぁ萩尾の場合、すべてが「萩尾世界」という異世界の物語といってもいいと思いますが)、吉田秋生も『カリフォルニア物語』でアメリカを舞台にしていました。
我らがマルコも、『ファミリー!』の前から、デビュー当時にちゃーんとその流れに身を任せていたわけで、そんな作品の一つです。
この作品集では2番目に古いものですが、絵はすでに独自の安定を見せています。
このへん、さすが1/4世紀を戦い抜くことになるプロだと言わねばなりません。
ちょっと伏線を使い損ねたか演出を失敗したのか(P.121のラストカットがやけに思わせぶり)というところもありますが、たいした疵ではありません。
ストーリーも70代風でいやだなぁうれしくなっちゃうよという出来です。知りたければ古本屋で買って読むように。