戦争と女性解放
id:chidarinnさんのところにレスを書いていたら長くなってしまったので、こちらにアップします。(度々ですいません)。
近代の総力戦は女性解放に繋がったのですが、これは、徴兵制によって男手が戦場に出たからです。特に十代半ばから老人まで、男性を根こそぎ前線に出したソ連では、もっとも大きな影響が出ました。
(ソ連には女性の戦闘部隊もあり、女性の戦闘機乗りも活躍しましたが、これはおそらく志願制でしょう)。
残された女性たちは、電力や水道、交通機関などのインフラ維持、工場での物資生産、農地での食料生産、行政機構の運営、治安維持活動などなど、ありとあらゆる仕事をこなすことになり、やり遂げました。
その達成感、身につけた職業能力と自信、家庭外の世界を得た解放感が、戦後の女性解放にも繋がっていったのです。
もっとも、必ずしも解放は平等には繋がらず、ウォトカを飲んでサッカー観戦している男性の後ろで、仕事から帰ってきた女性が家事をするという構図も指摘されています。勿論、離婚率も高い。
日本では主戦場が海外だったため、根こそぎの動員が行われず(動員しても輸送や補給が追いつかないからです)、旧家の長男や有力者の子弟など、徴兵逃れもずいぶんあったと聞きます。そのために、他の先進国ほど大きな影響が出なかったのではないでしょうか。