不平文士の節酒日記~ADHD 死闘篇

アルコール使用障害とADHD に立ち向かいつつある技術系会社員のブログ

ロシア語と輸送機

自衛隊というのは冷戦期にソ連に対する防壁として建設された組織ですが、最近ではロシアとも交流があります。
PKOなどで遠距離に進出する場合、航空自衛隊が持つ貧弱な戦術輸送機(川崎C-1、ロッキードC-130)では航続距離・搭載量とも話にならず、政府専用機ボーイングB747-400)では大型の貨物が積めないため、ロシア(実はウクライナなんですが)の誇る超大型輸送機、アントノフAn-124ルスランをチャーターするのです。
一応は民間航空会社の所属ですが、アエロフロートがそうであったように、実質的には軍の下部組織でしょう。
日本以外の国では軍民の敷居は意外に低く、軍や情報機関を退役した人間が会社を起して元の職場の同僚と仕事をすることは、珍しくないようです。
おそらくは戦前の日本もそうだったのでしょうね。満州鉄道とか。
さて、防衛庁はこの「ルスラン」の性能に感銘を受けたのか、次期輸送機の選定作業時、ロシア製も候補に挙げていたそうです。
しかし、現場の実情から却下されました。
航空自衛隊は産まれたときからほぼ完全にアメリカ流でやってきた*1ので、治具工具から何からすべてヤード・ポンド法である、という点もあるかもしれませんが、それ以上に、現場にはロシア語のマニュアルを読める人間がいない!ということが問題だったそうです。
*1東京大空襲、広島・長崎への核攻撃を指揮したカーティス・E・ルメイ将軍は、航空自衛隊の創設に尽力したとして、当時の小泉純也(パパ・小泉)防衛庁長官の推薦もあり、勲一等旭日大綬賞を授与されている。