『「百合映画」完全ガイド』20世紀日本映画ぶん
ちょうど一週間前、7月5日に始めた薬(コンサータ)のおかげで短文なら持続して読める程度にアタマの中が回復してきたので、リハビリを兼ねてレビューをしてみたいと思います。
お題は先月6月25日発行の星海社『「百合映画」完全ガイド』。
あとがきによれば「平均年齢が20代半ば程度のこわっぱ(自称)たち」8名(コワッパー8……すいません、つい……)による、国内外の312本の劇場公開映画(一部「にっかつロマンポルノ」作品も含む)についてのレビュー集です。
テーマ、本数ともに前代未聞であり、その意気やよし、と言うべきでしょう。
まずは、20世紀日本の映画に絞って32本をリストアップし、そのうちの18本についてメモ程度に感想を書いてみました(評価はやや辛目です)。
No. | タイトル | 製作年 | 筆者 | 鑑賞の有無 | 評価 | メモ |
1 | 港の日本娘 | 1933 | ふぢの | ○ | 興味深い | |
2 | 花つみ日記 | 1939 | ふぢの | △ | 文章は悪くないが空襲の年度を間違える致命的ミスが | |
3 | 野戦看護婦 | 1953 | ふぢの | △ | 当時のみんなに兵役経験があるわけではない(男性でもそうだが、特に女性にはない)。一般教養不足 | |
4 | 卍 | 1964 | ふぢの | △ | 業界内ハイコンテクストな話題は同人誌に留めておいて欲しい | |
5 | 美しさと哀しみと | 1965 | 児玉 | ○ | みたくなった。映画ガイドの見本といえる好文章 | |
6 | 残酷おんな情死 | 1970 | ふぢの | |||
7 | 火星の女 | 1977 | ふぢの | |||
8 | 悲恋物語 | 1977 | ふぢの | |||
9 | Keiko | 1979 | ふぢの | |||
10 | 風たちの午後 | 1980 | ふぢの | ○ | △ | 不親切。内容は完全に忘れているが再見する気にさせられない |
11 | 神田川淫乱戦争 | 1983 | ふぢの | |||
12 | セーラー服 百合族 | 1983 | ふぢの | |||
13 | OL百合族19歳 | 1984 | ふぢの | ◎ | ○ | 「携帯電話をぶん投げる」? 当時,携帯なかったんだけど… |
14 | イみてーしょん、インテリあ | 1985 | ふぢの | |||
15 | クララ白書 少女隊PHOON | 1985 | ふぢの | |||
16 | 恋文 | 1985 | 高橋 | ○ | ちょっとみたくなった | |
282 | ドラえもん のび太の鉄人兵団 | 1986 | 将来 | ○ | ○ | 俄然2011年公開のリメイク版というのに興味が湧いた |
18 | 猫のように | 1988 | ふぢの | ? | ○ | 文章は不安定ながら再見?したくなった |
19 | りぼん RE-BORN | 1988 | ふぢの | ? | ○ | 小説版を読んだのだったか、映画はみたのか、忘れてしまいました…… |
17 | 1999年の夏休み | 1988 | 将来 | ◎ | ○ | 『デーミアン』にこだわりを感じます |
20 | 櫻の園 | 1990 | ふぢの | ◎ | △ | 思い入れ過多のあまりか、記述が偏っていて情報不足 |
21 | TOKYO BLOOD | 1993 | ふぢの | |||
22 | 愛の新世界 | 1994 | ふぢの | |||
23 | ナチュラル・ウーマン | 1994 | ふぢの | ○ | ☓ | なんと中島『櫻の園』ひろ子への言及なし |
24 | 本番レズ 恥ずかしい体位 | 1994 | 牛久 | ☓ | 「百合」についての言及なし | |
25 | ルビーフルーツ | 1995 | ふぢの | |||
26 | KOKKURI こっくりさん | 1997 | 牛久 | ☓ | 「百合」についての言及なし | |
27 | バウンス ko GALS | 1997 | 牛久 | ☓ | 「百合」についての言及なし | |
28 | 落下する夕方 | 1998 | ふぢの | |||
283 | 少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録 |
1999 | 将来 | ○ | ○ | 思い入れをぎりぎり踏みとどまった感じ だがガイドとしてはネタバレし過ぎでは? |
29 | ギプス | 2000 | ふぢの | |||
30 | LOVE / JUICE | 2000 | ふぢの |
全体的に校閲がなっておらず、新潮社に次ぐ実力の校閲部と音に聞こえた講談社の子会社の仕事とは到底思えません。
もっとも分量を書いている「ふぢの」さん自身が同人誌のノリを引きずったままで編集を担当していたこともあるでしょうが、おそらくは星海社の担当編集者である石川詩悠が、本来自分たちがやるべき仕事を素人に丸投げし、やっていなかったということでしょう。
続きは気が向いたらやるかもです。